方針:臨時アカウントIPアドレスアクセス規定

臨時アカウントのIPアドレスへのアクセスは、利用者がウィキメディアのプロジェクト群を守るのに役立ちます。このアクセスは、IP情報ツールへのアクセスとは別のものです。アクセスの条件として、非公開個人データへのアクセス方針に同意していない利用者は、以下のガイドラインに同意する必要があります。

背景

ウィキメディアのプロジェクト群は、ボランティアの利用者からなる世界的なコミュニティの共同作業の成果です。プロジェクト群の編集は、ウィキメディアのアカウントにログインしてもしなくてもできます。ウィキメディアの特定のアカウントにログインしないまま編集する利用者は、臨時アカウントというログイン認証情報を持たないアカウントを経由します。

目的

ウィキメディア財団は一部のログイン済み利用者に臨時アカウントのIPアドレスのアクセス権限を付与し、財団または利用者コミュニティが定めた方針の施行、あるいは潜在的な方針違反を調査できるようにします。このアクセス権限は、荒らしやスパムに対処し、ソックパペットの不正行為チェック、ウィキメディアのプロジェクト群に混乱が発生しないように抑える目的で使われます。

臨時アカウントのIPアドレスの開示と使用

ログアウトした編集者のIPアドレスの開示は方針により制限されています。これにより、当該情報の利用をウィキメディアのプロジェクト群における不正利用防止活動に確実に限定します。IPアドレスにアクセスできる利用者は、以下のガイドラインに照らして開示が許容される場合を除き、そのIPアドレスを同じ権限を持たない利用者と共有することを禁じられています。

IPアドレスにアクセスしたい外部関係者は、この権限を持つ利用者に連絡してこの情報を入手しようと試みるかもしれません。IPアドレスにアクセス権限を持つ利用者は、このことを認識し、疑わしいアクセス要請がありうると警戒すべきです。

臨時アカウントのIPアドレスの使用

臨時アカウントのIPアドレスの使用は、財団もしくはコミュニティの方針違反の調査もしくは方針の施行に限定するものとし、対象には荒らしや不正行為、スパムや嫌がらせ、妨害行為を含めます。臨時アカウントのIPアドレスには臨機応変に、なおかつこれらのガイドライン、個人情報保護方針および関連プロジェクトに適用されるローカルのより制限的な方針に準拠してアクセスしなければなりません。

このツールは政治的統制、編集者に圧力をかけるため、あるいは編集内容をめぐる論争相手を脅すために使うべきではありません。臨時アカウントの利用者を調査するには、正当な理由が必要です。複数の臨時アカウント使用は（違反の例としてブロックもしくは追放回避を含めた）方針違反にあたらない限り、禁止されていない点にご留意ください。

臨時アカウントのIPを閲覧可能な利用者は、個別の臨時アカウントがどのIPアドレスからウィキメディアの特定のウィキを編集またはログに残る操作をしたか確認できます。この情報は短期間（現在90日間）のみ保存されるため、それ以前に使用されたIPアドレスは表示されません。IPアドレス類を閲覧するには、ログや履歴、最近の変更ページで「IPを表示」をクリックします。また、IP情報ツール経由でもIPアドレス類を開示できます。

以下の操作は記録されます:

• 利用者が自分のアカウントの IP 開示を有効または無効にする個人設定を承認する時。
• 臨時アカウントのIPアドレスを表示する時。
• 特定IPアドレスに関係する臨時アカウント群をリスト表示する時。

開示

利用者が方針に違反している場合でも、個人情報の公開はできるだけ避けてください。IPアドレスそのままを表示するよりも臨時アカウントを用いるか、あるいは、同じネットワークである/同じネットワークではない、のような情報を提供してください。

プロジェクトや他利用者の安全を保つうえで、臨時アカウントのIPアドレスを第三者に開示する必要が生じることはありえます。許容されうる開示は以下の状況に限られます：

• 臨時アカウントのIPアドレスにアクセス可能な利用者は、同じアクセス権限を持つ利用者に対して非公開でそのIPアドレスを開示できます。
• 臨時アカウントの IP アドレスにアクセスできる利用者は必要であると合理的に判断される場合、当財団の利用規約、個人情報保護方針またはウィキメディア財団や利用者コミュニティの基準とする方針の潜在的な違反の対処または調査が可能な適切な場所で、当該の IP アドレスを公開することも認められます。このような公開に適した場所とは、長期の不正使用専用のページなどを含みます。このような公開が後で不要になった場合は、IP アドレスを速やかに版指定削除しなければなりません。
• 別途の非公開個人データのアクセスに関する方針に同意した利用者は、その方針で許可された範囲で臨時アカウントの IP アドレスを公開することも認められる場合があります。

臨時アカウントの IP アドレス開示が差し迫った身体的危害の脅威に関連して必要な場合は申請の詳細を記載したメールを直ちに emergencywikimedia.org に送信し、財団による開示の可能性を評価できるようにしてください。

利用者は、法執行機関・政府機関・弁護士・その他の第三者からの召喚状を含む、本方針の権限範囲に該当しない公式・非公式の要請を受けた場合、legalwikimedia.orgでウィキメディア財団法務部に報告することができます。

アクセスの必須要件

アクセスはログインした利用者のみに付与されます。アクセスを得るには利用者グループに適用されるどの要件を満たす必要があるか、以下に列記します。利用者がグローバルアクセスとローカルアクセスの両方の要件に該当する場合は、グローバルアクセスに関連する要件のみを満たすよう求められます。

グローバルなアクセス

特定のグローバル利用者グループと特定のローカル利用者グループの参加者は役割を実行するため、ウィキメディアの全プロジェクトにわたり臨時アカウントの IP アドレスを閲覧する必要があります。閲覧の要件は利用者グループごとに異なります。以下の複数の利用者グループに参加する利用者は、いずれか1つの利用者グループの要件のみを満たすことが求められます。たとえば、オンブズ係と不正利用フィルター管理者の両方の利用者グループに参加していると、オンブズ係の要件を介して自動で閲覧を付与されます。そのような利用者の閲覧は、引き続き両方の役割に対して適用されます。

スチュワード、オンブズ係、U4C、財団職員

アクセスは、次のグローバルな利用者グループのいずれかに属する利用者に自動的に許可されます：スチュワード、オンブズマン、ユニバーサル行動規範調整委員会（U4C）、および（訳注＝財団）職員。スチュワードとオンブズマンと U4C メンバーは、これらのガイドラインと非公開データへのアクセス方針に従って IP アドレスを扱うよう求められます。職員は 職員 NDA（秘密保持契約） に従って IP アドレスを扱うよう求められます。

グローバルシステム管理者、グローバル巻き戻し係、不正使用フィルタ管理者と同ヘルパー

グローバル・システム管理者、グローバル巻き戻し係、不正使用フィルタ管理者、不正使用フィルタ・ヘルパーの各利用者グループに属する人は、Special:GlobalPreferencesを介してグローバルにオプトインできます。これら利用者はこれらのガイドラインに従って IP アドレスを使用するについて、破壊行為や不正使用またはウィキメディア財団またはコミュニティの方針が定めるその他の違反の調査または防止のみを目的とすることに同意しなければなりません。あるいはまた、これら利用者はグローバルにオプトインしないことを選択でき、その場合、当該の利用者が自動アクセス権を持つグローバルな利用者グループに属さない限り、グローバルなアクセスは許可されません。

チェックユーザーとオーバーサイト

ローカルのチェックユーザーまたはオーバーサイト係の利用者グループに属する利用者は、Special:GlobalPreferencesを介してグローバルにオプトインできます。これらの利用者は IP アドレスの扱いに関して、これらのガイドラインと非公開データのアクセス方針に従うことが求められます。

ローカルのアクセス

利用者の中にはウィキメディアの個別の「ローカルの」プロジェクト類を守るため臨時アカウントの IP アドレス類閲覧が欠かせない人がいます。閲覧の要件はローカルの利用者グループごとに差があります。以下の利用者グループの複数に参加する利用者の皆さんは、参加する利用者グループのいずれか1件の要件を満たすことが求められます。一例として、特定のローカルのチェックユーザーとビューロクラットの両方の利用者グループに参加している人ならチェックユーザーの要件に準拠して自動アクセスを付与されます。その閲覧権限はどちらの役割にも適用されます。

チェックユーザーとオーバーサイト

特定の利用者がローカルのチェックユーザーまたはオーバーサイト係の利用者グループの一員である場合はローカルのアクセスが自動的に許可されます。これら利用者はIP アドレスを扱うについて、これらのガイドラインと非公開データのアクセス方針に従うことが求められます。

管理者とビューロクラット

ローカルの管理者とビューロクラットはローカルのプロジェクトの Special:Preferences を介してオプトインすると、定められたガイドラインに同意しそれらに従って破壊行為や乱用またはウィキメディア財団またはコミュニティの方針その他の違反の調査または防止のみを目的として IP アドレスを使用できます。あるいはまた、これらの利用者はオプトインしないことを選択できます。その場合、利用者が自動アクセスを持つ利用者グループに属さない限り、アクセスは許可されません。

その他の利用者

前述のグループに属さない利用者でも臨時アカウントのIPアドレスへのアクセスは、パトロール（巡回）、ソックパペット調査その他、ウィキメディアのプロジェクト群を守る活動を支える場合に必要になる場面がありえます。

臨時アカウントのIPアドレスへのアクセス権を申請するには:

1. 以下にあげる全般的な要件全てを満たすこと。
   1. 利用者アカウントは作成から少なくとも6か月以上たっていること。
   2. ローカルのプロジェクトで300回以上編集を行っていること。
2. ローカルの管理者かスチュワードに、アクセス付与依頼を出すこと。審査の一環として、以下のような追加要件がありうる：
   1. ローカルのプロジェクトで、標準空間において600以上の編集履歴があること、
   2. パトロール活動を行った証拠を示すこと
   3. コミュニティによる投票プロセス　and/or
   4. 標準要件を下回ることのない、その他の要件。
3. ローカルのSpecial:Preferencesでオプトインすること、および
4. これらのガイドラインに従い、荒らし、不正、ウィキメディア財団やコミュニティの方針違反の調査や防止のためにのみ、IPアドレスを用いることに同意すること。そしてこの権限に付随するリスクと責任を理解すること。

臨時アカウントの IP アドレスへのアクセス権限を維持するには、このカテゴリの利用者は365日以内に1回以上、ローカルのプロジェクトを編集するか、ログに残る操作の実行を求められます。

最低要件の例外

上記の基準を満たさない利用者アカウントであっても、臨時アカウントのIPアドレスにアクセスするべき正当な理由がある場合、現在このアクセス権を持つ利用者では適切に対処できない目的であれば、スチュワードは上記基準に対する例外を認める権限を有します。

権限の除去

手動でアクセス権を付与された利用者は、いつでもSpecial:個人設定にアクセスして自発的にアクセスを放棄できます。ウィキメディアの特定のプロジェクトにおいてサイト単位で編集ブロックを受けた利用者は、当該のプロジェクトにおける臨時アカウントの IP アドレスにアクセスできなくなります。自動的にアクセス権を付与される利用者グループに参加していて、このアクセス権限を望まない人は必ず $2 に連絡してください。

ある利用者が臨時アカウントを悪用したと判断された場合、あるいはローカルのコミュニティが権利剥奪を合意した場合、スチュワードには当該利用者のアクセスを終了する権限があります。臨時アカウントの除去または修正を依頼するには、IPアドレスを[[cawikimedia.org|スチュワード申請/権限#アクセスの削除]]で報告してください。当該利用者のアクセス権の取り消しについてコミュニティの合意がある場合は、その議論へのリンクを必ず添えます。

Other users who have been given access manually may voluntarily give up their access at any time by visiting Special:Preferences. If a user given access manually is determined to have misused temporary account IP addresses, or local community consensus dictates removal, then stewards or local administrators and bureaucrats are authorized to terminate access.

Requests for stewards to remove or amend access to temporary account IP addresses may be placed on Steward requests/Permissions#Removal of access. When there is community consensus regarding revocation of a user's access rights, a link to the discussion must be provided.

必要なら、 cawikimedia.org, を通してTrust & Safety職員に見直して、Office actions policyに基づいて利用者アクセスを除去するよう求めることができます。Privacy Policyの侵害に関する苦情は、ombuds commissionによる見直し対象に格上げされます。

説明責任を果たせるように、臨時アカウントの IP アドレスにアクセスできる利用者は誰か、ログに保存しています。

参照

• 臨時アカウント
• 臨時アカウントのIPアドレスへのアクセスに関するよくある質問
• IP情報